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この話は放蕩息子の話としてよく知られています。しかし話の出だしは違いま
す。
ある人に息子がふたりあった。弟が父に「お父さん、私に財産の分け前を下さ
い。」と言った。それで父は、身代をふたりに分けてやった。とあります。父は
財産を分けて下さいという要求にすぐに分けてあげられるだけ息子たちを信頼し
ていたことが分かります。
弟息子は当然よく働いて来たし、父によく仕えて来た。そして弟は特に自立心が
旺盛であったのでしょうか。早く父から独立して、父のように自分の分け前をも
とに立派に成功してみせると思ったのでしょうか。しかし、それにしては13節
を見ると、何とあっけなく弟は大事な財産を使い果してしまったことでしょう。
あまりのあっけなさに、私たちはこの弟は最初から、ふしだらで金銭にルーズな
人間と思い込んでしまいがちです。もしそうであったなら、私は、父は決して財
産をこんなに簡単に分けてあげるはずはないと思います。
私はこの弟の問題は、“遠い国に旅立った”というところにあると思います。遠
い国、それは神から離れたところ、神に背を向けて、人間だけで生きることを指
していると思います。人間は賢く、知恵があります。しかし、その賢さ、知恵は
神から離れた時、何と愚かになってしまうことでしょう。
そして、この話は賢い人がとことん愚かになってしまった。もう死んだも同然に
なってしまったお話です。その愚かになり下ってしまった放蕩息子に、父がどの
ように向き合ってくれたかが焦点です。それは神があなたに向かって下さる姿な
のです。
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